- ミョンジュン:プロカメラマン
プロカメラマンのレンズレビュー「ニコン(Nikon)AF-S 105mm f/1.4E」
こんにちは、「フォトネコ」のミョンです。
今回紹介したいものは私が愛用しているニコン(Nikon)の「AF-S 105mm f/1.4E」レンズです!
レンズの紹介「ニコン(Nikon)AF-S 105mm f/1.4E」
まず、このレンズについて、主な仕様はこちらになります:
- レンズタイプ:中望遠 単焦点レンズ
- 焦点距離:105mm
- 最大絞り:f/1.4
- 最小絞り:f/16
- 撮影距離目盛:∞~1.0m
- 最短撮影距離:1.0m
- 最大撮影倍率:0.13倍
- 絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
- フィルターサイズ:82mm
- 質量:約985g
- 寸法:約94.5mm(最大径)×106mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
私はこのレンズをとても気に入りになった理由は、これから色々述べさせてもらいますので、是非最後まで付き合ってくださいね♪
単焦点レンズ VS ズームレンズ
単焦点レンズとズームレンズ、どちらもメリットとデメリットがありますが、主な違いを以下にまとめてみました。
- 単焦点レンズ
- ①焦点距離は固定
②最大絞りは通常ズームレンズより大きい;f/1.8、f/1.4のレンズが多い
③レンズの仕組みはズームよりシンプルで、レンズの映りが綺麗
④主な単焦点レンズはフォーカスしていても外側の鏡筒は動かないので、防滴・防塵性能のほうが高い
- ズームレンズ
- ①焦点距離を変えることができる
②主なプロズームは最大絞りはf/2.8、一部は最大絞りはf/2
③レンズの仕組みが複雑で、ズーム倍率が高ければ高いほど映りが劣化する
④主なズームレンズはズームしている時に鏡筒の長さが変わるので、埃や水をレンズの中に入る恐れがある
一番大きいのは、焦点距離が固定しているかどうかですね。
ズームレンズの場合は、同じ場所で立っても、ズームリングを回すだけで、被写体の大きさやフレーミングが変わるが、単焦点レンズの場合、被写体の大きさを変えたい時は、被写体に動いてもらうか自分の立ち位置を変えるしかないですね。
「これは、単焦点レンズはかなり不便じゃないですか??」と思った方はいらっしゃると思います。
確かに、ズームレンズはその点を考えるととても便利ですが、単焦点は焦点距離が変えることができないからこそ、以下のメリットはあると思います:
- 撮影する前に、どんなフレーミングやどうやって撮るのを考えて、焦点距離を決めてレンズを選べること
- カメラに付けている単焦点レンズを、自分が欲しい構図をどうやって実現するのを、アングルや立ち位置を考えて動くこと
簡単に言えば、単焦点レンズを使えば、シャッター切る前に、その写真の一枚のことをもっと考えることになるので、さらに素敵な作品が撮れるし、ともすれば面白い角度も発見するかもしれません!
要は、「これを使えば、これが撮れる」という概念ができるようになるということ!
ですので、カメラに興味ある人には、フレーミングや構図の勉強にはとても役に立つと思います!
そして、ある焦点距離に慣れてきましたら、今度はカメラのファインダーを目に近づける前に、もうどんな構図ができるかは想像できるようになると思います!
私は個人的に単焦点レンズのほうが好きで、ハイペースの撮影の仕事やシチュエーションがあまりコントロールできない撮影ですと、よくズームレンズで撮影していますが、ゆっくりめの撮影や趣味での撮影だと9割以上は単焦点レンズで撮ることになりますね!
「ニコン(Nikon)AF-S 105mm f/1.4E」の特徴
このレンズ(ニコン AF-S 105mm f/1.4E)は、人物撮影には最高と評価している人は多いですが、実は私がこのレンズを買った時は、人物撮影というより、猫の撮影のために買いました。 (笑)
操作
このレンズは、本体では約985gで、レンズフィルター・レンズフードを付けたら1kgを超えますね。軽いレンズとは言えませんが、普段仕事で使っている「AF-S 70-200mm f/2.8E FL」と比べるとすごい差がでますね!
FTZアダプターでニコン(Nikon)Z 7と一緒に使うことが一番多くて、このコンボを持つと少し前が重く感じますが、Z用エクステンショングリップ 「Z-GR1」をニコン(Nikon)Z 7の下に付けたら持ち心地がだいぶよくなります。
(※FTZアダプター:「ニコン Z マウントシステム」で使用できるマウントアダプター)
AFスピードは、まあまあ早めの感じですね。
人物ポートレートならば被写体はそこまで動いてないので全然問題ないと思いますが、猫ちゃんの場合は、座っているやゆっくりで歩いているならば問題ないけど、必死に走っている猫だとAFが全然追いかけられなくてそういうショットには向いていません!
そして、Zボディに付けたら、ボディ側の手ぶれ補正が効くほかに、動物瞳AFも効くし、猫のポートレートにはすごく使いやすいですね!
ちなみに、2020年2月に初めて動物瞳AFが出た時に、早速ファームアップしてうちの「ヒメちゃん」を撮影してきました。(笑)
中望遠の強さ
私は猫ちゃんたちを撮るときに、風景・背景とともに映りたい場合はよく標準の50mmの単焦点レンズを使って、猫ちゃんをもっとメインにしたい場合は105mmの単焦点レンズを使っていますね。
理由は、105mmの焦点距離だと、背景の圧縮効果があって雑多な背景をシンプルにできるし、構図のエレメントをミニマルにすることもできるからです!
例えば、この写真を撮った時に、猫の立ち位置の後ろには工事の道具やものが多くて、中望遠レンズで狭い角度を撮って、邪魔なエレメントを写真に入れないということができる。
そして、中望遠でそこまで寄らなくてもアップの写真が撮れるので、顔にゆがみが付かず綺麗に自然な比率が表現できる!
これは、猫の場合でも、人物の場合でも大事!
最大絞りf/1.4の強さ
絞りを開放して、f/1.4で撮影すると、浅い被写界深度で滑らかなボケ味を活かして被写体を綺麗に引き立てることができる。
レンズは絞りが開放の時にパフォーマンスが一番弱くて、1段か2段ぐらい絞ったほうがレンズの力を引き出せるとよく言われていますが、この「ニコン(Nikon)AF-S 105mm f/1.4E」は、絞り開放からパフォーマンスが優秀ですよ。
絞り開放のf/1.4の時でも、被写界深度の中でとてもシャープで、周りのボケ味が滑らかで美しいです。このボケ味の美しさは、もう一つ大きい理由はありまして、それは色収差がとても低いということです。
一般のレンズは絞り開放の時、ハイコントラストのところには、シアンやマゼンタの跡が目立ちますが、こちらのレンズはこの症状を抑えてボケ味には邪魔な色収差の跡がほとんど見られません。
そして、ボケ味の写り方も優秀で、後ボケだけじゃなくて、前ボケの写り方も滑らかで、前ボケで写真に深みを付ける時にも綺麗に表現できます!
他のレンズと比べる
vs(比較) 「Nikon(ニコン) AF-S 70-200mm f/2.8E FL」
70-200mmは1.5倍ぐらい重いし、両方レンズフードをつけると、長さも1.5倍ぐらいになりますね。
ただ、「Nikon(ニコン) AF-S 70-200mm f/2.8E FL」は絞り開放の時でもかなりシャープなレンズで、絞り開放で使ってもパフォーマンス精度が高いし、オートフォーカススピードは抜群です。
AFスピードが大事な時(スポーツ、走っている猫)や単焦点レンズが生かしづらい時に(シチュエーションがコントロールできない場合、自分や被写体が自由に立ち位置を変えることができない場合)、「ニコン(Nikon)AF-S 105mm f/1.4E」より、「Nikon(ニコン) AF-S 70-200mm f/2.8E FL」のほうがいいと思います。
vs(比較) 「Nikon(ニコン) Micro-Nikkor AF-S 105mm f/2.8G VR」
こちらはニコンの定番マクロレンズで、とてもクローズアップの写真を撮ることが可能ですね。
ただ、絞り開放の時に、色収差が強くて、場合によって写真への影響はだいぶ大きい時もあります。
もう一つは、実は「Nikon(ニコン) Micro-Nikkor AF-S 105mm f/2.8G VR」は数メートルから無限遠までだけの時ですね。クローズアップの時に、開放絞りのf/価値が少しずつ変えますし(最短距離では絞り開放がf/4.8になります)、露出の注意が必要です。
vs(比較) 「Sigma(シグマ) 105mm f/1.4 DG HSM」
こちらのレンズはニコンのと同じ焦点距離で、同じ最大絞りですが、大きさと重さは完全に違いますね。
シグマのは1.7kgぐらいで、フィルターサイズが105mmで、カメラバッグに入れる時にも工夫が必要な時がありますね。
パフォーマンスの面では、どちらも優秀で、絞り開放から使っても満足できるレベルですが、ボケ味の写り方は少し微妙に違います。
ボケ味の好き嫌いは完全に個人の意見の世界になりますが、シグマのレンズのボケ味のほうがフラットの感じがして、ニコンのほうがボケ味の遷移がスムーズで芸術的だと感じています。
まとめ
単焦点レンズは、慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、構図やフレーミングの勉強のほかに、ボケ味やクリエイティブな角度を楽しむこともできますよ!
この「ニコン(Nikon)AF-S 105mm f/1.4E」の強さと中望遠の味を両方一緒に活かすと、このレンズならではの作品を撮ることは絶対に楽しめると思いますので、是非試してみてください!