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とにかく沢山撮ろう!【スマホ写真 上達への道!③】
  • 吉田哲士:プロカメラマン

とにかく沢山撮ろう!【スマホ写真 上達への道!③】

こんにちは、「フォトネコ」の吉田です。

写真を撮る上で、技術的な知識や機材、美的感覚はある程度必要ですが、他人が見て「いいね!」してもらえる写真が多い人とそうでない人との圧倒的な差は、「ズバリ! 撮る枚数!」です。

気になった被写体は、とにかくしつこいくらいに、沢山撮って、その中から珠玉の一枚をみつけましょう!

巨匠もたくさん撮っている!?【スマホ写真 上達への道!】

巨匠もたくさん撮っている!?【スマホ写真 上達への道!】

もちろん、決定的瞬間をたった1回のシャッターで写し留める事も、ごくマレには有るかもしれません。

私の大好きなアンセル・アダムスの「月の出」アンリ・カルティエ・ブレッソンの「決定的瞬間」。

ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」などは近年疑問点も出てきてはおりますが、まさに一発で仕留めた名作でしょう。

ただ多くの素晴らしい作品は、何枚も撮られた中からセレクトされた1枚である!と言っても間違いは無いです。

あちこちの写真展に足を伸ばしていると、たまにコンタクトシートが作品と一緒に展示されています。 ちなみにコンタクトシートというのは、べた焼きとも言われ、フィルムのネガを印画紙の上に直接置いて露光をした、撮影一覧の事です。

このコンタクトシートを見るとセレクトされた写真がどの様な経緯で撮影されたとか、露出の具合、フィルムの種類とかが一目で分かってしまうので、写真家によっては見せたく無い方も多いです。

なぜなら、自分の手の内や技量がそれを見る人によっては丸分かりだからです。

で、そのコンタクトシートの一コマ一コマをじっくり見ると、巨匠写真家と言えども、たくさんの写真を色々なアプローチで撮影しているのが、よく分かります。

巨匠がたくさん撮っているのに、我々凡人が沢山撮らずに良い写真が撮れる、なんて、やっぱあり得ませんね!

執着するべし!

執着するべし!

何か気になった被写体、ネコでも花でも子供でも何でも良いのですが、折角少しでもあなたの心を動かし、写真を撮る気にさせてくれた被写体。
パシャと撮って終わりなんて、もったいな過ぎます。

もっとあれこれ、右から左から、上から下から、順光、逆光・・・とにかくいろんなアレンジに挑戦しましょう。

バリエーションは無限大! もちろん闇雲に沢山撮れば良いわけではなく、 いかにそれに執着して、考えて沢山撮るかで、結果は断然変わってきます。

「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」と言えば聞こえは良くないですが、どんどん撮影して、その中で最高に良いカットだけを残しましょう!

たくさん撮ると他にも良い事が!

たくさん撮ると他にも良い事が!

撮影中、画面確認でこれはイイ!と思った写真でも、実際に後で見てみるとたいした事がなかったり、またその反対だったりする事も良くあります。

同じ構図で撮影していても、明るめと暗めのも全然印象が違います。

沢山撮る事は、単にバリエーションを増やす以外にも、確実に良い写真を残す!という点からも大事な事です。

写真で一番注意したい事はピンボケとブレ。露出や画角、構図は後からでも修正が効きますが、ピントとブレは出来ません。
(一部のカメラでは、撮影後にピント位置も自由に変えられる機種が既にありますがまだ一般向けでは無いみたいです)

ピンぼけとブレは気をつけて撮影していても意外と起きていますし、マーフィーの法則(←懐かしい)では無いですが、決まって良く撮れている写真で起きているものです(汗)

カメラやスマホの小さい画面で見ていると気づきませんが、後でパソコンやタブレットで少し大きくして確認するとすぐに分ります。

植物や動物、人物もそうですが、手ブレではなく、被写体が動いてブレてしまっているケースも多々ありますので、二重の安全対策からも沢山撮る事は大変良い事なのです。

夜景作例

浅草、駒形橋からの夜景です。

浅草、駒形橋からの夜景

まぁ、普通の写真ですが、スカイツリーのイルミネーションがオリンピックバージョンだったので、撮りました。

カメラはいつもの愛機iPhone7 Plus

その時のコンタクトシート?の一部がこれです。

コンタクトシート

結構な枚数撮ってるでしょ!

場所も変えながら、レンズも変えて。縦横の構図変えも含めてトータル40枚位は撮ってます。

スカイツリーの頭にLEDが回って点灯してますが、丁度こちらを向いている時を何度も狙ってます。

高速道路を走る車も、なるべく少ない時を見計らって撮ってます。

夜景は特に気を使わないと、やはりまずブレが怖いですね。露出も明暗の差が激しいので、ハイライトが飛び過ぎ無いように、明かるさを変えながらも撮ります。

この写真のexif データです。

(※exif (イグジフ)データはカメラの設定や撮影日時に関する情報、画像ファイルフォーマットです)

写真のexif データ

シャッター速度が1/4秒
iPhone のカメラアプリで撮影しているので、露出はカメラ任せのオートモード。

もう少しiso感度を上げて速いシャッター速度を選んでくれたらブレにくいのに!と正直思いますがね。手ぶれ補正が付いてるとはいえ、かなり遅目です。

(※ISO感度とは、フィルムカメラではフィルム自体の光の感度、 デジタルカメラでは画像センサーの光の感度です)

このうち何枚かはやはりブレが激しく、使えない画像でした。

沢山撮る事は、やはりマスト!

この作例では、ブレの注意がメインとなりましたが、とにかく被写体が決まったらバリエーションをなるべく沢山撮りましょう。

それにより撮影後の選択肢も増え、また予想もしていなかった良いカットが撮れる事、安全策の意味も踏まえて、大変有効なのが、分かったでしょう!

セレクトの幅も広がりますし、より良い写真を作品にする事ができます。

時間の許す限りしつこく、見方を変えて撮りましょう!

良い写真ライフを!
Have a good one !