- 吉田哲士:プロカメラマン
メルカリで売れる?!プロカメラマンが教えるジュエリー、アクセサリーの撮り方
こんにちは、「フォトネコ」の吉田です。
広告写真撮影20年のプロカメラマンが教えるスマホでもキレイに撮れる簡単撮影ブース(ボックス)を自作しよう!
実は市販の撮影ブースでは小さなアクセサリー類の撮影はちょっと難しい!
「光もの」はプロでも撮影が難しいジャンル!
メルカリなどで売りたい物を出品するにあたり、写真がいかに重要かは皆さんもお分かりか思います。
以前にも2回に分けて出品用撮影のコツをお伝えはしていますが、今回はジュエリー、アクセサリー類に特化しました。
過去の記事はこちら↓↓↓
ジェエリー、アクセサリー類はプロの間でも「光もの」と呼ばれるジャンルで、時計、貴金属の事をいいます。
一昔前のフィルム時代は「光もの」専門のカメラマンも少なくはなく、プロでも「光もの」の撮影は難易度が高いので、1カットのイメージ撮影を丸一日かけた事も有ったものです。
カメラマンが独自のテクニックや小道具を自作しながら工夫して撮影をしていました。
今はデジタル撮影ですので、後からの画像処理も考えながら効率良く撮影するのが普通となり、撮影自体に費やす時間は以前と比べるとかなり短くなってきています。
余談ですが、時計などでは競合他社同士の撮影は御法度と言われていた時代もあり、特にS社を撮影していたら、いくら腕が良くてもC社はNG(または逆)などと言われていました。
さてそんな「光もの」撮影にいつも通り、スマホでもメルカリ用に魅力的な写真が撮れるコツを伝えます!
ジュエリー、アクセサリーの撮影はなぜ難しいのか?
一度でもメルカリ出品用にお手持ちのアクセサリーを撮影した経験がある方は、自分で撮影をしてみて、「カタログの写真みたいにキレイに撮れない!全然違う!」って思った事があるのではないでしょうか。
その理由として、先ずは商品のサイズが最大の原因です。多くのネックレスや指輪、イヤリングなどほとんどはかなり小さいものが多いです。 実際大ぶりのネックレスなどは扱いもしやすく撮影は比較的楽なものです。
「細~いチェーンや、ちっちゃ~いダイヤ、老眼が進んできている私には特ににつらいのですが(笑)」
撮影用にキレイにセッティングができれば実は撮影の半分はもう終わっています。
カタログで目にするような感じに商品をセットするにはどうしてもそれなりの専用小道具(無反射ガラス、ホワイトワックス等)や後からの画像処理が必要となってくるので、今回は簡単にできる自作の撮影ブースを作る方法で撮影したいと思います。
【材料を揃えよう!】
準備するものは全て「100均」で揃えます。
- 白い背景用の紙
- スマホ用ミニ三脚
- LEDライト2~3個
- カラーボード(450x840mmスチレンボード)
- A4クリアファイル
背景用の白紙
背景に暗めの色や木目の素材などを使用すると確かに高級感や雰囲気を演出する事ができるのですが、アクセサリー、ジュエリーは金属パーツが多く周りや下地の模様が沢山写り込んできてしまうので避けましょう。
メルカリ出品用の写真は雰囲気も大事ですが、その商品の色、形、状態をきっちり見せる事が購入者にとっても判断がしやすく、誤解も生じにくいので重要となります。
もし無地の白があまりにも味気ない気がする時は少し素材感がある紙や和紙、布なども良い選択かと思います。
光沢のある白いアクリル板などは「100均」では手に入らないかもしれませんが商品の反射が出て高級感を演じる事ができます。
スチレンボード
今回はバックグラウンドになる背景紙を貼る為に使用します。粘着タイプなら簡単にキレイに貼れます。
スマホ用ミニ三脚
今回の撮影用には是非1つ欲しいアイテムです。スマホが商品に寄れば寄るほど手振れやピントの問題が発生しやすいからです。三脚でスマホを固定できればその問題が防げるのと同時にスマホを固定出来るのでライティングがしやすいからです。
≪余談:「100均」のミニ三脚で十分ですが、アマゾンでいろんな「くねくね三脚」が売ってます、見てみるのも面白いですよ。≫
アマゾンで「くねくね三脚」を見る 参照元:アマゾン |
LEDライト
最近は「100均」のLEDライトもさまざまな形状の物が沢山販売されていて、毎回行くたびに新しい物が出ており、驚かされます。今回はオーソドックスな懐中電灯タイプの物を使います。
≪余談:基本「100均」のLEDライトで十分ですが、防災用とかキャンプとか別用途でもLEDライト欲しいかたはAMAZONでもいろいろ売ってますね!≫
アマゾンで「ペン型LEDライト」を見る 参照元:アマゾン |
A4クリアファイル
自立できるディフューザーを制作します。ディフューザーはLEDの光を柔らかくします。今回はドーム型に加工します。
ミニ撮影ブースを作る!(クリアドーム)
A4クリアファイルの左右長辺をカットします。閉じている側を5mm、開いている側を約1cmです。
1cmの方を15cm位にカットしてパーツを2本作ります。
本体部分のファイルに、5x4cm位の四角の穴を開けます。ここからカメラを覗かせます。ファイルは2重のままでOKです。
細いパーツ2本をテープで留めて、クリアドームを作ります。
これでもう完成!めちゃ簡単ですね!
背景紙は今回「100均」で見つけた少し和のテイストが有るデコレーションシートを使います。
裏紙をはがしてすぐに接着できました。サイズは20x30cm位あれば十分な広さです。
さあ、撮影しよう!
どのアクセサリーでも共通して言えるのが、金属部分が黒くなり過ぎないように調整する事が大事です。
先ずは今回作成したクリアドームを使うとどのような効果が有るのか、コインを使って見てみましょう!
セッティングはミニ三脚が倒れないようにテープで固定します。
【クリアドーム無し】
【クリアドームドーム有り】
クリアドームを使うだけでコイン全体が明るくなるのが分かりますね!
金属は沢山光を当てても金属部分の表面に広い面積で映り込んでこないと明るくはなりません。
逆に光が少なくても映り込んでいる面積が広いと明るく見えます。
画面の長押しでピントと露出をロックしましょう!
そこにLEDライトの懐中電灯を手持ちで当てます。少しコインの端がテカるライトの位置を探って下さい。ライトを入れるとレリーフが立体的に見え、輝きも増すので一気に高級な感じに見えます。
これが今回作成したクリアドームとライトの効果です。では次に実際のアクセサリーで見てみましょう!
実際のアクセサリーで撮影してみましょう!
ネックレス
ネックレスはチェーンが長くて、どうしても全体をフレームに入れて撮影すると肝心のペンダント部分が小さくなってしまうので、アップの「寄り」と全体の「引き」で分ける必要が有ります。
「引き」の写真は本当はマネキンやモデル着用で見せるのが一番良いですので、今回は「寄り」の撮影のみにしました。
商品詳細にチェーン長さはハッキリと明記しましょう。
はい、いつものおじゃま虫(笑)
細いチェーンをキレイに置くのは少し難しいですが、私は竹串をよく使います。
金属製のピンセットなどは傷をつけてしまう恐れがありますのでおススメしません。
完成はこんな感じです。
クリアドーム無しですとどうしても小さなダイヤ!?が中々光ってくれませんが必ず光るポイントが有りますので、探ってみましょう!
違うタイプのネックレスを見てみましょう!
【クリアドーム無し】
【クリアドーム + ライト】
石の色もハッキリしてきます
【クリアドーム無し】
【クリアドーム + ライト】
シルバーの光沢感が表現されています。
リング
リングは石がメインの場合とリング全体のデザインがメインの場合があります。
基本リングは、寝かせるより立たせる方が良く見えます。
普段私は練ゴムやホワイトワックス(粘着性のロウ)を使用していますが、今回は両面テープを小さく切って使用します(よく見るとバレてます)
リングの正しい向きは、リング内側の刻印の向きで判断してください。
ファインダー上で刻印が正しく読める向き(上下)が正解です。
ハイライトを入れて高級感を演出しました。
イヤリング、ピン
必ず耳に装着した時の正しい向き(上下左右)で撮影しましょう。
石が明るくなるようにライトを当てました。
慣れれば簡単で楽しい!
ジュエリー、アクセサリー類はあまりセットも変えずに撮影ができますし、キレイな物をよりキレイに撮れれば楽しさも増してきますので売り上げもきっと上がる事間違いなしです!
少し練習してコツを掴んでみてください。
今回も上手に撮るコツは共通して色々と沢山撮る事です。
それでは良い写真ライフを! Have a good one!