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スマホのカメラでOK! メルカリで「売れる」商品写真撮影のコツ教えます。
  • 吉田哲士:プロカメラマン

スマホのカメラで大丈夫! メルカリで「売れる」商品写真撮影のプロ技、教えます。

こんにちは、「フォトネコ」の吉田です。

皆さんはメルカリを利用していますか?

私も個人的に少し利用していますが、メルカリは本当に良くできたシステムで、売れた商品を送る際に面倒な宛名書きや送料の支払がすべてスマホのバーコードスキャンのみでできます。

また最後までお互い匿名で取引もできますし、いらない物は出来るだけ処分して、他に欲しい物を買うにはもってこいのアプリです。

メルカリは写真で買うアプリ!

その商品の販売時に重要なポイントとなるのは、やはりその出品商品の写真です。

商品を買う人の立場に立ってみると良くわかりますが、売り手が出品するときにどんな写真を用意するべきでしょうか? この答えはズバリ わかりやすい写真 です。決してカッコいいイメージ写真は必要無いのです!

何も考えずにスマホで撮れば、もちろん誰でもカンタンに出品はできますが、はたしてそれで大丈夫でしょか? 商品の魅力をより分かりやすく伝え、思わず購入してしまう写真を撮るコツを、100円ショップで揃えられる物を使って、広告写真撮影20年以上のプロカメラマンが分かりやすく教えます

ちゃんとしたカメラで撮影するとなると、やはり色々と手間がかかってしまいます。
せっかくのアプリの手軽さですので、スマホでの写真の撮り方をお伝えします。

また皆さんがすぐに始められるよう、照明機材は使わず「日中の窓の光」のみを使っての撮影方法です。

≪※今回は一般的な商品撮影なので、撮り方が違う商品(アイテム)は下の記事も参照ください!≫

商品撮影に最適な「背景」は?

メルカリの商品撮影に最適な背景紙はやはりプレーンな白です。

最近は100円ショップで木目調や石畳模様の壁紙やキレイなラッピングペーパーなど沢山の種類が購入できますが、まずは基本の白から始めて下さい。商品がスッキリと見えとても分かりやすいです。

では、どのくらいの大きさがよいでしょうか?
プロの撮影スタジオには大抵、四六判(788x1091mm)のケント紙が常備してありますが、残念ながら四六判のケント紙は画材屋などの専門店でしか購入できず、100円ショップでは手に入りません。そこで今回は100円ショップ(ダイソー)で売っている白いカラーボード(450x840mmスチレンボード)を3枚使用します。

白いカラーボード

実はこのスチレンボード、光を大変良く反射してくれて商品を明るく撮影しやすいです。平面性にもすぐれているので、シワになったりもせず繰り返し使用が出来ます。おまけに大変軽く移動も簡単です。

2枚を背景用に使用します。長辺をセロハンテープでとめます。セロハンテープは幅が狭いので、少しズラしながらテープ3枚でとめました。

作業してると、当然ジャマがはいります(笑)

ジャマ

残りの1枚でレフ板を作りましょう。

超かんたんに自作できるレフ板

レフ板は商品撮影では、なくてはならないアイテムです。プロの撮影スタジオには大きなサイズから小さなサイズまで、素材も含め様々なレフ版が用意されています。
ほとんどはカメラマンの手作りですが、最近ではAmazonなどで探すとコンパクトになる便利なレフ板もたくさん揃っています。

購入したカラーボード1枚をちょうど横半分にカッターで切り、その2枚を透明なテープで貼って屏風(びょうぶ)のように折れ曲げられる様にします。これで完成!これは横でも縦でも自立できるレフ版ですので、とても便利です。

カラーボード1枚

こんな感じに立てて使用します。

縦でも自立できるレフ版

横でも自立できるレフ版

レフ板を自作するのが面倒な人はアマゾンで買っちゃっても♪

ダイソー(100均)まで行く時間がないとか、工作が苦手な人はアマゾンで買っちゃっても全然いいと思います。100均より高くなりますが、お手頃価格で使い勝手がよさそうなものが売ってますので。

アマゾンで「反射板 レフ版 撮影 物撮り A3サイズ」を見る
参照元:アマゾン

ちなみにレフ版を買うならA4サイズよりA3サイズのほうがいいですよ。

A4サイズはコンパクトで整理しやすいんですが、やはりちょっと小さいです。A3サイズのほうが断然使いやすいです!

さぁ、撮影!

では早速撮影してみましょう。プロは商品撮影のような人物/モデルでない撮影を「物撮り/ブツドリ」なんて言います。

で、その物撮り、大まかに2つのグループに分けられます。商品に“高さ”があるかどうかで「ふかん系」「水平系」のグループに分かれるのです!

ふかん系 (漢字で書くと俯瞰)

高さのない商品、本とかCD/DVD/ブルーレイなどは、カメラを上から下に構えるので、背景を敷くだけの平面で撮ることができます。
※高い位置から被写体を見下ろして撮ることを「ふかん撮影」といいます。

水平系

高さのある商品、パッケージ、ボトル、靴、ぬいぐるみ等は、スマホを低い位置から構えるので、背景を少し立ち上げる必要があります。

先ずは「ふかん系」の商品を撮影してみましょう。

先程テープどめしたスチレンボード2枚を床にセットします。

カメラモードの設定はスクエアで!

メルカリでは長方形の写真も勿論使用ができますが、掲載できる面積を最大限活かしたいのであれば、やはり真四角のスクエアです。真四角フレームでの撮影は慣れないと始め少し違和感が有りますが、後からトリミングするよりは最初から真四角フレームで撮影した方が、絶対にしっくりきます。徐々に慣れていきましょう!

直射日光は避けましょう!

皆さんのお部屋の向きによっては直射日光がさんさんと降りそそぐ、日当たりの良いお部屋にお住いの方もおられることでしょう。撮影には確かに明るくて良いのですが、商品の影がどうしても強く出てしまいますので、商品には直射日光が当たらない場所を選んで撮影しましょう。

また窓からの光を使ったライティングでは、天井の蛍光灯やLEDなどが少なからず影響が出ます。窓からの光と室内灯の光の色が異なるので、色かぶりしてしまいますし不要な写り込みなどが出る可能性もありますので撮影時には必ず消灯しましょう。

※最近のLED照明は日中の外の光に近い色味のライトもございますので、テストしてみて下さい。
それと夕方などの西日の時間帯は光がオレンジ色になってしまうので避けたほうがよいです。

直射日光の当たる窓近くですと、こうなります。

直射日光の当たる窓近く

直射日光の当たらない場所にセットを移動して再度撮影します。

直射日光の当たらない場所にセットを移動

本に厚みが有るので、かなり濃い影が出てしまいます。そこで先程自作したレフ版の登場!

自作したレフ版の登場

影が随分うすくなり、全体に明るくなりました!

レフ版の配置は「く」の字にして、本の下側に立てかけただけです。

レフ版の配置は「く」の字

この撮影では窓が本の上の方からですが、間違っても商品の影が商品の上方向には出ないようにしましょう。基本太陽は我々の頭の上ですので、自然界では影が下から上にというのは、あり得ないので凄く不自然な感じに見えてしまいますので、やめましょう!

我々プロはこうゆうライティングをオバケライトと呼んでいます。

オバケライト

CDの様に小さなサイズの物なら、背景パネルも片面を起こして、3面をレフ板にも出来ますので、より影を無くして、明るく撮影ができます。

3面をレフ板にも出来ます

3面をレフ板にも出来ます

ウクレレも同様に手前にレフ板をセットすれば、ほらキレイ!

ふかん撮影でも、少し厚みのある商品は、真上からよりも少しだけナナメから撮影すれば、立体感が良く分かります。

真上からよりも少しだけナナメから撮影

水平系アングルで撮ってみる。

セッティング

同じくスチレンボード2枚組みパネルを背景にして、先程と同じように床に敷きます。ただ今度は奥側を壁や家具などを利用して立てかけて立ち上がりを作ります。

スチレンボード2枚組みパネルを背景

窓の光を利用しての水平アングル撮影では、基本横からのサイド光しか使えないことが多いです。レフ板を光の来る方とは逆側において、レフ板あり(右)と、レフ板なし(左)の結果をぬいぐるみで見てみることにしましょう。

レフ板あり(右)

レフ板なし(左)

全然違いますよね!セッティングはこの場合、光が来る方向とは逆の右側にレフ板を立てただけです。タネも仕掛けもございません(笑)

光が来る方向とは逆の右側にレフ板を立てた

レフ板の効果はてき面! 全体がよく見えるキレイな仕上がりとなりました。

しかし、商品によってはレフ板なしで陰影が有る写真もドラマチックな感じがして悪くはありません。最終的には好みということになりますが、暗すぎるのは細部が良く見えないのでメルカリ販売様にはオススメしません。レフ板の距離を調整しながら様子を見ましょう。またレフ版の使い方も工夫してみましょう。

商品によってはレフ板なし

商品によってはレフ板なし

出品する時に掲載できる写真は最大10枚です。1枚位はイメージっぽくドラマチックなライティングで撮った写真を入れるのも、購買意欲をそそるかもしれません。また別の機会に商品を簡単にドラマチックに撮る方法を紹介したいと、思います。

望遠系レンズで撮影しよう!

今回使用したカメラは、少し古いですが我が愛機、iPhone 7 plus

デュアルカメラ付のiPhoneです。2xレンズにすると、商品撮影に適したやや望遠になるのが大変便利で良いです。1xの広角レンズは広い範囲の撮影が出来るのですが、撮影の仕方によっては商品の形がとても歪んでしまうので注意が必要です。その例が以下の写真です。

2xレンズにすると、商品撮影に適したやや望遠になるのが大変便利

広角レンズで商品を大きく撮る為に近寄りました。

妙に頭デッカチなパッケージです。広角レンズは特性上、近くの物はより大きく、遠くの物はより小さく映ります。ですから、この写真みたいに変な形になってしまうのです。次に2xの望遠レンズで撮ってみました。

2xの望遠レンズで撮ってみました

2xレンズで少し離れて撮れば、違和感のない写真が撮れました。

化粧品類のボトル等は形状が本当に様々なので、中には上部が大きなボトルもあったりします。アプリを見て購入検討している人に勘違いをさせない様、正しい形を表現した写真でないと後でクレームにも繋がりかねないので、とても大事な事です。

コーヒーパッケージも同様に撮影しました。

コーヒーパッケージも同様に撮影

コーヒーパッケージも同様に撮影

はい、お邪魔キャット登場!

お邪魔キャット登場

望遠系/デュアルレンズが付いてないスマホは?

勿論大丈夫です!

注意点を一点延べるとしたら、商品に近づきすぎない!です。
どうしても撮影画像が小さくなってしますので、商品に近づいて撮影をしてしまうかと思いますが、先程も伝えたとおり、広角系のレンズで近くによると商品の形状が歪んでしまいます。

あまり近寄らず、小さめに撮影をして後からトリミングをしましょう。どうしても少し画像が粗くなりますが、メルカリはほとんどがスマホで利用されていますので、ほとんど心配する必要はないでしょう!

離れて撮れば広角レンズでも大丈夫!

離れて撮れば広角レンズでも大丈夫

撮影した後にトリミングをしましょう!

その他、メルカリ出品時に気を付けたい事

  • 商品を整えてから写真を撮る。
    (服だったら、アイロンをかけたりハンガーにかけたり、きれいに畳んだり。)
  • 必ず商品の全体を見せる。
  • 人の目で見ているくらいの見た目になるように、自然な加工をしましょう。
  • ブランド名・ロゴ・型番・規格を見せる。
  • 写真は、最大の10枚載せましょう!
  • 汚れやキズなどの欠点がある場合、写真できちんと伝える。無理にキレイに見せたりはしない。

今回のまとめ

いかがでしたか? 以下、今回のキーポイントをまとめましたのでぜひともご活用いただき、売りたいものをどんどん売っちゃってください!

照明は「日中の窓からの光」

背景は白!
レフ板を作ろう!

商品をふかん系と水平系に分類する。室内灯は消す

出来ればデュアルカメラの望遠(2x)レンズ付きスマホ

広角レンズでの撮影時は商品から離れる。

では、良い写真ライフを! Have a good one!